ポケモンのライバルがめっちゃ良い奴だったら

私、だいき子!

 

ポケモンマスターを目指して旅をしているの。

 

 

とは言ってもまだ始めたばっかりなんだけどね。

 

 

とりあえずは手始めに最初のポケモンバッチを手に入れようと次の街に向かっているのだけど・・・

 

 

 

カビゴン「グガー」

 

 

 

大きいポケモンが道を塞いで通れないの。

 

 

どうしたら良いのかしら?

 

 

 

男「あれ、どうかしましたか?」

 

 

誰か来たみたい。

 

 

だいき子「あ、こっちはポケモンが道を塞いでしまって、通れないの。」

 

 

男「なるほど。ちょっと良いですか?」

 

そう言うと彼は何やら笛のようなものを取り出して、突如演奏を始めたわ。

 

とっても綺麗な音色。

 

思わず聞き入っちゃう。

 

 

カビゴン「カビ!」

 

 

男「おー。起こしちゃって悪かったね。ちょっと道が通れなくてさ。通らしてもらって良いかな?」

 

カビゴン「カビカビ!」

 

男「ありがとう。お姉さん、道を譲ってもらったからこれで通れますよ。」

 

すごーい。あんなに大きなポケモン相手に話しをして、道を譲ってもらえるようになるなんて。

 

 

だいき子「ありがとうございます。あ、私だいき子です!なんとお礼を言ったら良いか。」

 

 

シゲル「僕はシゲルです。お礼なんて良いですよ。僕もちょうどこっちに用がありましたし。それでは。」

 

 

 

そう言うと彼は颯爽と去って行ったわ。なんか聞き覚えのあるBGMみたいなのが聞こえた気がするけど気のせいかしら。

 

 

 

まあ良いわ。

私も行こう〜!っと。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

ニビシティ

 

 

 

 

 

目的の街に着いたわ。

 

 

ここのジムリーダーと呼ばれる人にポケモン勝負で勝ったらジムバッチをもらえるのよね。

 

 

よし!頑張ろう!

 

 

 

早速行ってみようかな。

 

 

男「おら!良いからそのポケモンよこせって言ってんだよ!」

 

女の子「やだ!やめて!私のゼニガメ!」

 

男「うるせー!ガキがポケモンなんざ100年はえーんだよ!けっけっけ。これであの岩タイプのジムリーダー、タケシには余裕で勝てるぜ。」

 

女の子「うえーん!」

 

 

何あれ!許せない!

あんなに小さい子のポケモン奪って!

 

人として最低!とっちめてやるんだから!

 

 

 

スタスタスタ。

 

 

男「おい、その子のゼニガメを返してやれ。」

 

 

ポケモンを奪った男「あん?なんだてめーはよ!」

 

 

 

ん?あれはさっきの・・・?

 

 

 

男「お前に名乗る必要なんてないよ。良いから早く返してやれ。」

 

 

ポケモンを奪った男「うるせー!誰に指図してやがんだ!この野郎!」

 

 

あ、危ない!

ポケモンを奪った男が殴りかかった!

 

 

 

バシン!

 

 

 

ポケモンを奪った男「え?」

 

 

男「どうした?何かしたか?」

 

 

 

信じられない。

今、殴ろうとした方が逆にその勢いを利用されて投げられるんなんて。

 

 

あんなに細身なのに・・・

 

 

男「ほら、わかったろ?僕は誰かを傷つけたくないんだ。例え人のポケモンを奪うような奴だとしてもね。わかったなら早くその子にポケモンを返してやれ。」

 

 

ポケモンを奪った男「け!こんなポケモンいらねーよ!ほらよ。」

 

 

スタスタスタ

 

 

女の子「お兄ちゃんありがとー」

 

男「気にしなくて良いよ。大事にするんだよ。」ニコっ

 

男「じゃあ僕はこれで」

 

 

またあの聞き覚えのあるBGMが・・・

 

 

 

一部始終を見ただけで何もできなかったわ。

 

 

ってかもういないし!

 

 

さっきのお礼もまだなのに・・・

 

 

まあ後悔してもしょうがない!

とりあえず、ジムでも行こうかな。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

はあー。

負けた。

 

 

そりゃそうよね。

 

 

私のヒトカゲじゃ相性悪いしね・・・

 

 

はあー。勝てる気がしない・・・

 

 

 

 

男「どうしたんですか?そんなに落ち込んで。」

 

だいき子「いや、ジムリーダーに負けちゃって・・・ってあー!あなたはさっきの!」

 

シゲル「どーも。」

 

だいき子「な、なんでここに・・・ってそれよりもさっきのお礼!」

 

シゲル「え?お礼は良いってさっきも言ったじゃないですか。それよりもジムリーダーにどうしたって?」

 

だいき子「え?本当にいいの?ま、まあそう言うなら・・・そう。さっきジムリーダーに負けちゃって・・・私のポケモンとは相性が悪くって・・・どうやったら勝てるかなって・・・」

 

シゲル「なるほど。それで落ち込んでいたんですね。」

 

だいき子「そうなの。勝てる気がしない・・・」

 

シゲル「」

 

シゲル「実はここに来る途中の森でマンキーが出るんですよ。そこでマンキーを捕まえられれば相性的に有利になれますよ。」

 

だいき子「え?本当?ってかそんなの教えていいの?」

 

シゲル「はい。大丈夫ですよ。駆け出しのトレーナーには優しくしろっておじいちゃんが。」

 

だいき子「そうなんだ!ありがとう!早速捕まえて来るね。ってシゲルさんは駆け出しのトレーナーさんじゃないの?」

 

シゲル「あー、まあ僕はね。だいき子さんよりはちょっと先に進んでるかな。まあそんなことよりも早くマンキーゲットですよ!」

 

だいき子「そ、そうね。とりあえずアドバイスありがとう!これでいけそうだわ!」

 

シゲル「いえいえ。それでは気をつけてくださいね。」

 

だいき子「うん!絶対捕まえて、ジムバッチゲットして来るからね!」

 

よし!さっさとマンキー捕まえてジムバッチゲットよ!ファイト!私!

 

私はシゲルさんに大きく手を振ってその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

シゲル「あれがだいき子さん・・・か・・・」

 

 

 

 

 

続く